インタビュー

G-TELP スピーキングテスト・ライティングテスト
リリース記念インタビュー

浦野 研 先生
北海学園大学経営学部 教授 浦野 研先生

「仕事で使う英語」を意識したカリキュラム。
やっぱり「話す」・「書く」力が重要です。

札幌の大通公園から地下鉄で2つ目の駅、「学園前」駅。駅に直結して、雨に濡れずに行ける北海学園大学。こちらの経営学部では、以前よりG-TELPをご利用いただいているご縁もあり、今回新たにリリースしたG-TELPスピーキングテスト、ライティングテストを他の大学に先駆けてご利用いただきました。
そこで、今回ご利用いただいた北海学園大学経営学部、ご担当の浦野研先生に、ご感想などを含めお話を伺いました。

北海学園大学経営学部の英語カリキュラムの特徴を教えてください。

まず、「経営学部生だけのために英語カリキュラムがある」というのがウリになると思います。通常、英語は教養科目として、全学共通のカリキュラムに組み込まれている場合が多く、「ビジネス英語」などといった単発の科目として置かれています。

当経営学部は全部で28単位英語の授業を用意しています。経営学部ですが、卒業必要単位のうち約1/4が英語科目でまかなえるようになっています。

もうひとつは、就職先、卒業後を意識したカリキュラム編成をしていることです。私は前期、3年生向けの科目でビジネスメールの書き方を教えていて、例えば「講演会の講師の依頼をする」といったシチュエーションでメールを書かせるなどといった活動やっています。 この科目も含め、カリキュラム全体を通して英字新聞を読んだり、英語でプレゼンテーションさせたりなど、社会に出てすぐに役立つ英語の能力を身に着けることを大きな目標としています。

具体的にはどんな内容になりますか?

エアメール

ビジネス英語というと、たとえば市販されている本に「英語でメールを書く」といったテンプレートがよくありますよね?それを穴埋めすることだけをやっていても、それしかできない、自力で書けないんです。

微妙なニュアンス、例えば価格交渉のとき、どう相手に「Yes」と言わせるか、そういったものはテンプレートの穴埋めでなく、与えられた環境で、その場で、柔軟に対応しなければならないし、文書を書き換えなければなりません。

そういう能力というのは、ある程度英語の書く力が付いてからやらないといけません。いきなりビジネスメールだけを書かせても、書けるわけがありませんよね?経営学部では、例えば、3年次にライティングの授業を履修したければ、2年次のライティング科目をとっておかなければなりません。「つまみ食い」で受けるのではなく、ある程度力を付けた学生が段階的にスキルを習得できるようなシステムにしています。1年生は基本的なスキルを身に付け、学年が上がっていくうちに実用的なスキルを身に付けていくようになっています。

「卒業を意識した授業カリキュラム」とありましたが、英語が必要な企業に就職される学生は多いのですか?

本格的に英語を使った仕事というよりも、経営学部なので会計やファイナンスをはじめITスキルなどと共に、「英語もそこそこできる」という、オールマイティなユーティリティプレイヤー的な学生を育てることも1つの目標となっています。中には1年間休学して留学する学生もいますが。

英語が「ものすごくできる」というよりも、TOEIC®600~700点ぐらいの学生で、ただそれだけでなく、TOEIC®では測らない「英語でメールを書く」ことや「英語でスライドを作ってプレゼンをする」といった、卒業後に役立つであろうスキルを身に付け、それを最終的に仕事に生かしてもらえればと思っています。 英語がプロパーな仕事でなくても、営業で入社しても、ちょっと取引先の中国の会社と英語でやり取りするといったことがある。そういったときに、「英語も少し使える」といった学生を育てたい、そういう思いでいます。

そういう背景からスピーキングテスト、ライティングテストを本格的に導入したいとお考えになったんですね?

授業風景

今は「書く」「話す」力が企業や社会が求められています。そんな中いわゆる普通の「TOEIC®」や「G-TELP」は本当に測りたい力を測られているのでしょうか。「TOEIC®800点」の人が実際に英語をしゃべれるかは実はよくわからないのです。

TOEIC SW®やG-TELPのスピーキングテスト、ライティングテストでも、「留守電のメッセージに対して返事を残す」とか「図を見てそれについて意見を述べる」というタスクが出題されています。それって、実際に英語を使う場面にありそうですよね。ということは、スピーキングやライティングテストの出題内容は実用的なタスクに非常に近いものになっています。

そういうことから、より実用的なテストを受けさせたいと思っていました。そして、もうひとつ。 客観的な授業の評価ツールが欲しかったんです。リーディング、リスニングのテストは一斉テストが可能で、ライティングは現在エッセイを書かせて複数の教員で評価しています。 しかし、スピーキングはそれらの方法での実施が難しく、現状各教員の評価に任せているところでした。

実際、グラマー、リーディングといったことよりも、英語を「使う」という点から見ると、やはり「話す」「書く」という力が重要になりますね。

もちろん、文法やリーディング、聞く力も大事ですが、話せる人は聞けますし、書ける人は読めます。ところが、英語が読めても書けない人、聞けても話せない人は案外多いものです。ならば、話して、書くことを測定したほうが、より全体像が見えると思います。

しかしながら、多くの大学では、「とは言ってもうちの学生にはスピーキング、ライティングは歯が立たない」、といって二の足を踏まれるということも多いようですが。

逆に、そういうことをやることで、学生にも火をつけなければならないと思います。 後は、カリキュラム上、普段から英語を書かせたり、話したり、といった授業を実際にやっていないと、いきなりスピーキングテスト、ライティングテストをやるといってもできないのは無理もありません。日頃からそのような経験が必要なんです。

具体的にはどんな内容になりますか?

授業風景

「話す」「書く」技能の客観的な評価ツールを導入するにあたって、GTEC、TOEIC SW® 、そしてG-TELPを検討し、パイロットとしても実施してみました。その中で、G-TELPが一番、うちの学生に合っていると思いました。 TOEIC SW®は今の2年生には若干難しいかなと思っています。

2年生の段階ではビジネスメールなどはやっておらず、英語力以前の時点で学生が戸惑ってしまう。問題の内容が理解できないといった感想もありました。

G-TELPの場合は、多少ビジネスっぽいものもありますが、問題内容がジェネラルで、例えば町に引っ越してきた人が、地元の人に町の紹介をするとか、地図を見ての案内など、大学生でも文脈がある程度理解できる内容でした。かつ必要なライティングスキル、スピーキングスキルを測ってくれる。大学の2年生や、3年の初めには適していると判断しG-TELPのスピーキングテスト、ライティングテストを選びました。 学生に聞いても「G-TELPが一番なじみやすかった」という意見が多かったです。

フィードバックされたスコアレポートはいかがでしたか?

スコアレポート

スコアレポートを見て、学生自身が語彙、文法、発音など、どのスキルが良くて、どれが良くないのかなどの具体的な診断情報が把握できました。 あと、それを見た教員が今後どう指導したら良いかなどのアドバイスなどがあったらいいですね。

テストの内容で「自分の意見を言う」という問題もありました。そういう問題については「英語力」以外のスキルも試されますが。

本学経営学部の英語の授業では、日頃の授業であるテーマで意見を言い合ったり、プレゼンテーションしたりすることをやらせています。細かいことは気にせず、とりあえず英語で10~15分ずっと話をさせていますし、書かせる授業は、書かせています。ですから、比較的そのような問題に対しても対応ができたんだと思います。

普段、授業でまったく話したことがない学生にいきなりテストで話せといってもそれは無理な話です。逆に、普段からそういう授業をやらないとできないわけです。実際、大企業でなくても、何らかの形で外国企業とのかかわりは中小企業でもある世の中です。

実際に会社に就職したときに、毎日ではないけど、英語でメールを書かなくてはならない、または外国からの電話に出なければならない、といったシチュエーションはあるわけです。ですから、そういう訓練を我々は授業の中で日頃からやっているわけです。

学生さんの反応はいかがでしたか?

「できた」「できなかった」という反応から「もっとできるようになりたい」と感じた学生が多かったようです。受験後のアンケートでは「案外しゃべれるもんだ」、だから「もっとしゃべれるようになりたい」という学生もいました。そういう気づき、大事ですよね。 スピーキング、ライティングというと臆病になってしまう学生が多いですが、実際やってみると「意外にしゃべれる」とか、「あの問題が言えなかったので悔しい」だから「もう少し勉強してみよう」という気持ちになるわけです。 そういう気づきを得るためにもスピーキングテスト、ライティングテストは有効なツールだと思います。

―英語が「しゃべれない」というマイナスの感想だけでなく、少しでも「しゃべることができた」と気づく。だから「大変だけど英語を学んでいく」。学生さんのモチベーションツールの1つとしてもスピーキングテスト、ライティングテストは有効かもしれませんね。

本日はお忙しいところありがとうございました。

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